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ジャニーズ女帝〈メリー喜多川〉 怒りの独白5時間 〈本誌記者の面前でSMAPマネジャーを一喝!

 投稿者:tomocci  投稿日:2015年 1月22日(木)09時06分15秒
  通報 編集済
  ジャニーズ女帝〈メリー喜多川〉 怒りの独白5時間
〈本誌記者の面前でSMAPマネジャーを一喝!

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間違いなく芸能史に残る貴重な証言録と言える。一九八三年以来、約三十年ぶりのロングインタビュー。“目利き”ジャニー氏の姉である“女帝”が自らの言葉で後継問題を語り、SMAPマネジャーを一喝。姉弟が一代で築き上げたアイドル帝国の内実がいま明かされる。

「あなた、本当にねえ。笑っちゃうけれども、なんでこんなにつまらないことばっかりなさるの? 私、昔は文春と新潮だけはどんなことがあっても自分で毎週発売日に買っていましたよ。でも、いまは馬鹿らしくて読まないもの。本当に」
 約五時間に及んだロングインタビューの幕開けは、小誌への抗議と叱責の言葉だった。
 一月十三日正午。東京・乃木坂にあるジャニーズ事務所本社ビル二階の会議室で、取材に応じたのは同社のメリー喜多川副社長だ。
 往年の人気アイドルグループ・ジャニーズを振り出しに、フォーリーブス、たのきんトリオ、少年隊に光GENJI、そしてSMAP、嵐と、時代を彩る数々の男性スターを送り出すジャニーズ事務所は、いまや関連企業十社以上、グループ全体の申告所得が百億円を超えると言われる“アイドル帝国”だ。二〇一一年「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」としてギネスに認定されたメリー氏の弟、ジャニー喜多川社長(83)は、今年の元日にNHKのラジオ番組にゲスト出演するなど発言の機会を増やしている。
 だが、経営面の実質的トップであり、“ジャニーズの女帝”と呼ばれるメリー氏が表舞台に姿を現すことは、この三十年余ほぼ皆無だった。

松潤も参加した会合

 今回のインタビューのきっかけは、ある会合を小誌が突きとめたことにあった。昨年十二月中旬、西麻布のイタリアン「Margotto e Baciare」で、メリー氏と、娘で同社代表取締役副社長の藤島ジュリー景子氏が、女優の大地真央(58)とデザイナーの森田恭通(47)夫妻、黒木瞳(54)らと食事を楽しんでいた。二人は、ジャニーズのタレントとたびたび共演している。そこには嵐の松本潤(31)の姿もあった。
 レストランの前で一行が女優たちを見送る際、メリー氏の横では松本をはじめ、俳優として人気急上昇中の生田斗真(30)とNEWSの増田貴久(28)の三人が帽子を取り直立不動で佇み、最後には深々と頭を下げる。その光景はジャニーズ事務所という組織の厳しい規律と統制を物語っていた。これがどんな目的で行われた会合だったのか。奇しくもその数日後はメリー氏の誕生日であった。
 後日、小誌がジャニーズ事務所宛てに質問状を送ったところ、顧問弁護士を通じてメリー氏から取材に応じる旨の連絡を受けたのだ。
 インタビュー当日、二十畳はあろうかという大きな会議室には、白波瀬傑専務取締役と男性スタッフ、そして同社の顧問弁護士二名が記者を待ち構えていた。
 そこへ、派手やかな真紅の洋服に身を包んだメリー氏が颯爽と現れたのは、アポイントの時刻を十分ほど過ぎた頃。一瞬、記者に柔和な笑顔を向けつつも、黒縁眼鏡の奥の眼光は鋭い。
「レストランの問題よりも、私がいちばん聞きたいのはね……」
 言うまでもなく、小誌とジャニーズの因縁は浅からぬものがある。メリー氏は立腹していた。
 真っ先に指摘されたのは、小誌が一月一日・八日号で報じた近藤真彦(50)の三十五周年イベントに関する記事のことだ(「中森明菜との因縁再び!? 近藤真彦ライブに黒幕登場」)。イベントの会場外で、メリー氏が来客と写真を撮っていたことや、ブーツを履いて飛び回る元気な姿が目立っていたという目撃者の証言を伝えたのだが、メリー氏は記事は誤りだらけであると憤慨していた。小誌が事務所に直接聞かなかったことも指摘した。たしかに確認取材をしなかったことは反省点である。

後継者をめぐる二大派閥

「取材するなら堂々と(会場の)中に入って聞くべきです。私、どんな取材でもノーと断ったことないよね。私が(イベントに)行くのは当たり前です。三十五年間、マッチがお世話になった方やマスコミの方をご招待していて、何か失礼があっちゃいけないと思うから。あなたは、私が中でみんなと写真を撮ってごきげんになってて革のジャンパーを着てて、なんて書いてらしたけどクラブに入ってジャケット着ている人はいませんよ。表で脱ぎます。(ゲストを)出迎えたというのも違います。ちゃんとお調べになったの。記事を読んだ方から『メリーさん来てたの?』って、何人に言われたかわかりません」
 その弁舌に淀みはない。記者が前述の西麻布での会合について聞くと、
「その時はみんな嵐のコンサートで会っているんです。(会食には)松潤以外のメンバーも誘ったけど、コンサートをやってくたびれているから堪忍してくれと。松潤は元気だったの。大体、あなたたちはお食事するのに目的があるわけ? 私たちそんな難しい食事したことない。お腹がすいたから、どこか美味しいところに行こうっていうことです」
――メリーさんの誕生日(十二月二十五日)をお祝いしていたのでは。
「私、誕生日会なんてやってもらったことないですよ。年取るの嫌いだから。クリスマスはやるけど。他の人の誕生日で、サプライズでパーティをしました。内緒でケーキを出してシャンパンを飲みましたよ。でも私の誕生日じゃないです」
 メリー氏の年齢は非公表だが、もとより記者にメリー氏の年齢を詮索する意図はない。尋ねたかったのは、あくまでも会合の目的である。
 そしてその先には、この数年来、芸能マスコミを中心に取り沙汰されてきたジャニーズ事務所の後継者をめぐる“派閥問題”の真相があると小誌は踏んでいた。
 巷間、ジャニーズ事務所の後継を争う“二大派閥”の領袖と言われているのは、メリー氏の長女であるジュリー氏と、SMAPやKis-My-Ft2などを担当するマネージメント室長・飯島三智氏だ。
 いまや国民的アイドルグループに登り詰めたSMAPだが、彼らを育て上げたのは、飯島氏の辣腕の賜物だと言われている。彼らを献身的に支えた飯島氏は、木村拓哉(42)や中居正広(42)らメンバーからの信頼も厚い。
 創業五十年超となるジャニーズ事務所は、ジャニー氏とメリー氏の姉弟両輪で築き上げたいわば一代オーナー企業であるが、喜多川一族ではない飯島氏の存在はSMAPの名声と共に大きくなり、特にキャスティングに携わるテレビ局関係者にとって、飯島氏はいまや下にも置かない存在となっているのだ。
 一方で、ジュリー氏がマネジメントを担当するのは、現在もっとも勢いのあるTOKIOや嵐、関ジャニ∞。事務所内で複数のグループが競合することで、「飯島派」と「ジュリー派」と呼ばれる二つの勢力が角逐している現実を、業界で知らぬ者はいない。
 ある民放局関係者はこう述べる。
「ジャニーさんとメリーさんがご高齢ということもあり、ジャニーズの後継問題はここ数年、色濃く出てきている印象です。だから、ジュリーさんと飯島さん、それぞれの派閥を一人のプロデューサーが掛け持つということは基本的にない。横断的なキャスティングをすると問題が起きるから、慎重に配慮しているのです。TBSとテレ朝は飯島さんの力が強い。フジは半々。日テレはジュリーさん。深夜枠は飯島さんが持っていて、そこでバランスをとっている。最近、ジュリーさんがTOKIOを推しているようで、彼らの露出が多くなっているのはそのためです」
 昨夏には、キムタク主演ドラマ「HERO」(フジテレビ系)の初回放送日に、裏番組として日本テレビがぶつけてきた特番に関ジャニ∞の横山裕(33)が出演。さらにフジの「27時間テレビ」の総合司会がSMAPで、日テレの「24時間テレビ」のメインパーソナリティが関ジャニ∞であったことや、嵐とSMAPがテレビやステージで共演する機会がほとんどないことなども、派閥問題を映し出していると言われてきた。
 SMAPの人気に翳りが見え始めた昨今では、「飯島さんはいずれSMAPと一緒に独立するだろう」と見立てるテレビ局関係者も少なくない。関係者はみな事態を固唾を呑んで見守っているのだ。
 そして小誌が目撃したのは、まさにメリー氏とジュリー氏が、松本や生田らジュリー派と呼ばれるタレントと行動を共にしていた現場であった。だが、その真意を聞こうと切り出すと、メリー氏は色をなしてこう反論するのだ。

「失礼な。“次期社長”ですよ」

「今ここではっきり言っておきますけれど、どんな派閥関係があるというのですか? 私、SMAPの誰とは言いませんけど、今でもお家へ遊びに行くし、食事に行ったり、美味しいものがあったら届けていますよ」
――(会合に参加した)松本さんや生田さんに対し、特に目をかけられているということでは。
「私はうちのタレントは全部『うちの子』と呼びます! 病気をしたらちゃんと見舞いをするし、親御さんが亡くなったら全部面倒を見ます。マッチだけじゃなくて、岡本健一(45・元男闘呼組)も、アッくん(佐藤アツヒロ・41・元光GENJI)も。それって、当たり前のことでしょう。
 もうひとつ言うと、私はSMAPだけじゃなく、誰のコンサートにも行きませんよ。ひとつ行ったら全部行かなきゃならないから。
 映画なんてもっと見ません。だから(タレントに)『僕の映画です』と言われてもわからないの。映画を見てたらシイさん(白波瀬専務)の仕事を手伝えないもの。私、あなたたちみたいにターゲット決めて、それだけの取材をするほど暇じゃないの」
 メリー氏はそう言うが、ジャニーズのタレントが出演する舞台の会場などでは、頻繁にその姿が目撃されている。今年一月初旬には所属タレントによるミュージカル「PLAYZONE」(青山劇場)の現場にもメリー氏は姿を見せた。八六年に初演されたこの舞台は、〇八年までは少年隊が毎年出演し、以降は後輩に引き継がれた。これまでTOKIOやV6らが出演。近年ではマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」の振付師・Travis Payneが振付を担当することでも知られている。
「だって(自分以外に)英語を喋る人がいないじゃない。うちの振付師は外国人です。うちの事務所で他の誰が英語を喋るというんですか。あまりにも私しんどいから、女の子を一人入れて、いま通訳やっているから私すごい楽ですけれども、その子でさえ自分だけではやっていられないと言って、その子の通訳をまた入れてますもの。私は行かなきゃならない。ご挨拶するのが当たり前です。そんなこともわからないの?」
 戦前に米国で生まれ、戦後も一時期、ロサンゼルスで過ごしていたメリー氏は、流暢な英語を話すことで有名だ。
 だが、先頭に立って我が子たちを切り盛りしてきた“大御所姉弟”も八十歳を越え、世代交代が囁かれているのも事実。天性の感覚でアイドルの原石を発掘するジャニー氏と、幅広い人脈を持ち、経営に手腕を発揮するメリー氏の後を誰が継ぐのか。
 小誌は単刀直入に核心を突くため、敢えて質問状に「派閥」といった言葉を使った。だが、メリー氏はその言い回しに対し、怒気を孕んだ声で言い返す。
「私が失礼だと言っているのはね、(文春の)質問状のこと。『小誌の取材では“次期社長候補”である藤島ジュリー景子が……』って書いてあるけど、当たり前じゃない。何がおかしいんですか? 私の娘が(会社を)継いで何がおかしいの? “次期社長候補”って失礼な。“次期社長”ですよ。シイさん、うちのジュリーは“候補”なの?」
「いや、違います」
 白波瀬氏が即答する。
 ジュリー氏を正式な“後継者”として認めた初めての公式発言だった。
 もっとも、現時点で社長ではないために「候補」という表現になったことを伝えると、メリー氏はいっそう声を荒らげる。
「当たり前じゃない! ジャニーや私がいるのに、なんで(ジュリー氏が)社長なんですか。私が病気にでもなったら社長になってください。悪いけど私はシイさんより元気なつもりです。
 今これだけタレントがいて、うちの娘がどれだけ大変か。あなたたちはうちのタレントを全部取材できます? できないでしょう。私でさえ(多忙で)コンサートに行けないんです。だから、ジュリーはいま私のことを手伝っていて、それで精一杯。(所属タレントが)少なかった時期は私が全部マネジメントをやりましたよ。ジャニーは演出をやっていたから。

「いま飯島呼んで」

(コンサート会場で)テキヤさんが海賊版を売っているのを見つけたら、私、車の中から伊勢丹か何かの袋を出して、(海賊版のグッズを取り上げて)全部バーッと入れてましたからね。『ババア何するんだ!』って言われたら、『文句あるんだったらうちへおいで』と言って。どれだけ喧嘩したかわからない。でも、ヤクザの人だって上の方は話が分かるから、喧嘩してもうまくおさめていますよ。
 ジュリー以外に(誰かが)派閥を作っているという話は耳に入っていません。もし、うちの事務所に派閥があるなら、それは私の管理不足です。事実なら許せないことですし、あなた方にそう思わせたとしたら、飯島を注意します。今日、(飯島氏を)辞めさせますよ。仕事の大事なことって、そういうことだから」
 メリー氏は思い立ったように男性スタッフを手招きし、記者も予想外の行動に出たのだった。
「ちょっと飯島呼んでくれない。いま飯島呼んで。どこにいるのか知らない?」
 当の飯島氏に直接、説明させるという。にわかに張り詰める雰囲気の中、同席する事務所の男性スタッフが飯島氏に急遽連絡を取り始めた。飯島氏の都合など意に介さないとばかりに、メリー氏は平然と続ける。
「うちの娘と対立している飯島が派閥を作っていると(文春の質問状に)書いてあったら、飯島に説教するのは当たり前でしょう。派閥があるとしたら、うちの恥。文春さんだって、自分の社内に派閥があったら恥ずかしいと思いませんか。
 あなたたちは、うちの会社というものをわかっていないんです。うちはジュリーが生まれたときから、事務所がちゃんとうまくいったら跡継ぎにしなきゃいけないと思っていました。少なくとも三カ国語、四カ国語は読み書きができるようにしているし、小さい頃からミュージカルを観せてきた。娘には、英語もフランス語も全部教えています。どんな本でも読めるように、どんな仕事でもできるようにしています。孫にもきちんと英語とフランス語と、中国語も教えています。
 うちの仕事を継ぐなら英語はマスト。だってミュージカルができないから。いい台本は、その国の言葉で読むべきです。私は、そういうつもりで育ててますもの。英語もわからない人が、うちの仕事できますか? ジャニーなんか韓国語も全部喋れますからね。そうでなかったら、自分のところのもの(作品)を(海外で)観てもらっても説明できません。
 どんな派閥関係があるのかと聞かれても、私には派閥ということ自体がわからない。インターネットか何かに出てて、それを読んだんでしょう。ファンの人たちもそれを読んでいるわけ。
 もっと言うとファンには派閥なんて関係ないんです。ファンは事務所じゃなくタレントについていく。そうじゃなければなんで三十五年間マッチにファンがついてきているんですか」
 メリー氏は事務所の男性に「どうした? 飯島」と訊ねる。会議室に再び緊張が走る。男性は「十分ぐらいです」と答えた。
 結局、飯島氏が駆けつけたのは、呼び出しから三十分ほどが経った頃だった。色の白い、痩せた女性が俯き加減で会議室に入ってきた。彼女こそ“SMAPの育ての親”である飯島氏だ。
「お世話になってます、と(文春に)言うのはおかしいですね。おはようございます。初めまして、飯島と申します」
 口元に笑みを浮かべつつ、慇懃な挨拶で記者に名刺を差し出す飯島氏。だが、内心では困惑し切っていたに違いない。
「どうぞ飯島に取材して。私との対立関係を聞いてください。どういうことで対立してるのか」
 メリー氏に促され、記者は端的に尋ねた。すると当の飯島氏は真剣な表情でこう答えるのだ。
「私も大変困ってまして、本当に何とかしていただきたいなと思っているんです。ネットで書かれるのはファンの方が勝手にやっていることだと思うのですが、雑誌の方がそのようなことをお書きになると、事実ではないかと思う方もいらっしゃる。全くそういうことはないと思います。のびのびとやらせていただいているので、こういう風に言われてしまっているのかなとは思うんですけれど。

「SMAPは踊れないじゃない」

 私も被害に遭っている立場で、それはジュリーさんもそうだと思います。ジャニーズ事務所全体がそういうふうに見られている。そのように足を引っ張りたい方もいらっしゃると思うんですよ、事実。こういう芸能界って競争が激しい世界ですので。全くそんなことはないので……」
――嵐とSMAPがあまり共演しないというのは?
「別に、意味というのはないと思うんですけれども……」(同前)
 飯島氏の話にじっと耳を傾けていたメリー氏が、そこで口を開いた。
「だって、踊れないじゃない?」
 SMAPを育て上げた飯島氏の前で、メリー氏は記者にこう言ってのけた。
「だって(共演しようにも)SMAPは踊れないじゃないですか。あなた、タレント見ていて踊りの違いってわからないんですか? それで、そういうことをお書きになったら失礼よ。(SMAPは)踊れる子たちから見れば、踊れません」
 女帝にしか言えない凄みのある言葉だった。飯島氏は反論できずにいる。
「青山劇場が今年、閉館しますよね。初めの頃は劇団四季がやっていましたが、最後はうちで飾らしてもらうんです。そこにも踊れる子しか出られませんよ。うちの子たちには芝居やっている子だとか、面白いことをやっている人とか色々いるけど。(舞台では)踊りが全部できる子という風になっているんです。だから振付師が入っているでしょう。だって、トラヴィスだってマイケルの最後のほうを全部やった人だし」
 ダンスの素養こそジャニーズタレントの神髄だと言わんばかりだ。だが、ダンスとは関係がないテレビのバラエティでも、ジュリー派と飯島派の共演は少ない。
――テレビ番組の出演歴を拝見しますと……。
「飯島派と言うけれども、飯島はいま誰をやってるんだっけ?」
「SMAP、キスマイとかをやっていますけれども……」(飯島氏)
 メリー氏が続ける。
「飯島が自分が担当している人間を番組に入れるのは当たり前のことじゃないですか。間違いがあるとしたら、この人(飯島氏)はSMAPが長すぎているのかもしれませんね。うちはトップのマッチでも、しょっちゅうマネジャーが変わります。自分がマネジャーを仕切る人だから。
 マッチは今年で三十五周年。ジュニアの時から計算したら三十九年ぐらい。一番古い子だけれども飯島もそれぐらい古いんです。
 だけど、悪いけど私、飯島に踊りを踊れる子を預けられないもの。そういうこと、わかんない? うちの子はある程度踊らなきゃしょうがないでしょう」
 メリー氏が口を閉じると広い会議室は水を打ったようにしんとなる。
「SMAPと共演が少ないって、何でそんな話が出るんですか? うちの順序を言ってください。誰が一番上?」
 最年長は近藤真彦で、その次は少年隊……記者は答え始めたが、メリー氏は苛立ちを隠さない。
「だったらSMAPは嵐よりまず先に近藤と共演するべきでしょう。何でそれを聞かないんですか? SMAPが一番トップじゃないんです。失礼だと思わない? 私、本気で怒りますよ。今、あなたは近藤が一番古くて、その次が少年隊と言った。嵐は(彼らと)共演していますか?」
 近藤真彦や少年隊の東山紀之(48)は、嵐とも特番などでたびたび共演している。
「私、この人(飯島氏)に怒ったことがあるんですよ。はっきり言いますとフジテレビですけれど。飯島が自分のSMAPの番組から、うちの滝沢(秀明・32)を降ろした問題で。その方(フジテレビ関係者)に電話する前に、飯島を呼んで事情を聞いて、その方に『本当に飯島が降ろしたんですか? それを担当者に確認してください』と言いました。

「滝沢が降ろされたんだから」

 滝沢が入っていたのに降ろされたんだからね。マネジャーが『急に降ろされました』と言うから、『何で?』って。飯島は『そんなこと知らない』と言うから、『あなたがブッキングしたんじゃないのね?』って。だったら、局の担当者にきちんと言って、私から電話があったということも伝えて、それから報告するようにと言ったんです。
 飯島を気にしている人はいっぱいいますよ。みんな。この人、怖いから。私の真似して私と同じように怖いの。私が怖いのとは違うと思うんですけど」
 さすがに飯島氏が割って入った。
「ちょっと言わせていただくと、私が怖いという問題でなく、そのテレビ局の方が気にしているというのも、又聞きやネットとかの噂を真に受けている可能性があるのではないですか。私、一切そんな話をしたこともないですし、私にとっても名誉毀損になると思うんですよ」
 飯島氏は“無実”を主張する。その発言にかぶせるようにメリー氏は、
「いや、すごい問題ですよ。だから、この人を呼んでいるのは、私、何にも(根拠)なしにね、『飯島、こういう噂だから、あんたクビだよ』と言うことはできない。今、ここでこういう話を聞いているから、飯島、私はこう言いますよ。『あんた、文春さんがはっきり聞いているんだから、対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい』と言いますよ。
 でも、(派閥の話を証言した)人が誰かを言えないなら、ちゃんとチェックしておいでと言いたい。滝沢を降ろした問題だって、私はその方の前できちんとこの人(飯島氏)を呼んで全部、話しますもの」
 メリー氏は畳み掛ける。だが、その矛先は横にいる飯島氏に向けられているようにも思えた。
 まるで引責辞任を迫るようなメリー氏の厳しい言葉に対し、真剣に派閥の存在を否定する飯島氏。
――テレビ業界では、A.B.C-ZやSexy Zone、中山優馬さん(21)ら若手も飯島さん派だと言われている。
「いえいえ。派なんて全くないんですよ。キャスティングは局が決めること。例えば『SMAP×SMAP』とか月9ドラマで、オファーはしてもスケジュールが合わないことってあると思うんです。それを面白おかしく皆さんおっしゃっている。いちいち相手にしていてもしょうがない話だと思います。
 派閥なんて、私は天に誓って言った覚えはありませんので。今まで生きている中で」
 飯島氏はそう言い切った。
 後継者はメリー氏の娘・ジュリー氏であり、ジャニーズ事務所に派閥など存在しない――。業界で長年燻り続けてきた問題に、はっきりと白黒が付いた瞬間であった。
 ただ、メリー氏でも把握していなかったことが一つあった。派閥問題がファンの間でも囁かれるきっかけになった、KinKi Kids・堂本光一(36)の“中立発言”である。
 二〇一三年の大晦日から元旦にかけて行われた、ジャニーズ恒例のカウントダウンコンサートでのこと。東京ドームで行われた公演は、フジテレビによって中継されたが、事件はテレビ中継の終了直後に起きた。
 出演者の筆頭格であった近藤真彦がステージを降りた後、司会のKinKi Kidsが他の出演者を紹介し、呼ばれた出演者は次々に舞台から引き上げていくという段取りだ。が、この退場の順番は、ジャニーズ内で重んじられているレコードデビューの序列とは違っていた。
 まずは飯島派と目されている中山優馬やA.B.C-Z、Kis-My-Ft2や山下智久(29)、Sexy Zoneらが退場。続いて、ジュリー派と言われるHey!Say!JUMPとNEWSが舞台を去った。
 公演を観ていたファンの一人が話す。
「デビューの新しい順に捌けるなら、山P(山下智久)が先に出ていくのはおかしいんです。私たちには飯島派とジュリー派の線引きがクッキリされているように見えました」
 ステージに残ったのは司会のKinKi Kidsと、タッキー&翼(滝沢秀明と今井翼・33)の四人。そして、堂本光一が滝沢に向かってこう言ったのだ。
《中立な、俺ら》
 この発言は一部の熱狂的なファンにより録音されていた。
 ジャニーズに詳しい芸能記者が解説する。
「以前からタッキー&翼とキンキは“中立派”とか“ジャニー派”と言われてきた。この二組は派閥に関係なく、ドラマやバラエティでどちらのタレントとも共演し、ジュリー派と飯島派の“架け橋”の役割を担ってきたから。もともと滝沢と堂本剛(35)がジャニーさんの大のお気に入りだったという“特別待遇”も背景にあるのだろう。堂本光一の発言はさもありなんという印象だった」
 だが、この“中立発言”についてメリー氏も飯島氏も把握していないという。

「『中立』って光一が?」

飯島「私は立ち会ってないのでわかりませんが……」
メリー「えっ何? 何? 何て言ったんですって?」
 所属タレントまでもが、派閥の意識を持っていたことに驚いたのか、メリー氏は目を丸くしている。
「『中立』って光一が? その意味がわからない。中立は俺らって、どういうこと? それ、マイクで言ったわけ? うちは全部ビデオを撮ってるんですよ。フイルムが残っているから、確認します」
――滝沢さんと光一さんは中立で、どこの派閥にも属さない、という意味だと思うんですけれども。
「そこでジュリーと飯島との問題を、あなたたちが考えたわけね。でも、それは考えられないこと。光一はあんまり(酒を)飲まないんです。もし誰かが飲むとして『どこに行く?』と言ったときに、『いや、俺はどっちも行かないよ』と言うのだって中立でしょう」
――タレントがどちらの派閥に所属しているか、ファンは気に掛けています。
「ごめんなさい。だからわかってないの。どんなことがあっても、たとえばうちの事務所を辞めても、ファンはタレントについていきます。それがファンです。でなかったら、ファンじゃないでしょう」
 メリー氏は頑なだった。彼女にとっては、何があってもタレントは全員可愛い我が子なのだ。それは過去に事務所を去ったタレントでも同じだという。
「うちを辞めた田原俊彦(53)にしたって(ファンは)ちゃんとついていくじゃないですか。いつの間にかグチャグチャになっちゃってますけど。私は来る者は拒まず。辞めさせた子がいたとしても、戻って来たら全部ね。田原だって、『ハーイ、マミー』って来ますよ。しょっちゅう手紙を出してるもの。あの人(田原)はどこかで会った時は、必ず飛んできます。ほかの子も全部飛んでくる。
 私、上の偉い人たちにはもうお年玉をあげません。下のジュニアだけで二百人ぐらいにあげています。特に下の子たちは名前を言われても分かんない子がいっぱいいます。だから、私は誰も傷つけないように『うちの子』って言うの。マッチも『うちの子』、下の子も『うちの子』です!」
 これがメリー氏一流のタレント・マネジメントの極意なのだろう。我が子への熱い思いは、問題のSMAPにも向けられている。
「SMAPだって本当に仲良しだから。『ねえ、メリーさん』って部屋に入ってきたら言うんです。『よそへ行ったとき、あなたたちを知らない人だっているんだからね。必ずSMAPの誰それですって言ってから入ってらっしゃい』って。そしたら、どなたかがいらっしゃったときに『SMAPの香取です』とかって入ってきてみんなが笑っちゃったの。『誰が見たって分かっているじゃないの』って言うから、『あなたは分かっているかもわかんないけど、分からない人がいるから私は礼儀として教えているのよと。
 いま言ったように百人、二百人いたら名前を憶えていられない。絶対憶えていられない。この人(飯島氏)なんて、偉そうに派閥なんて言っているけど、じゃ、派閥の子の名前を言ってごらん? 派閥のない子の名前を言ってごらん? と言ったって、言えないと思う。だって、それだけの子の名前全部知っているはずないもの。あなた、うちの子の名前全部言える?」
 飯島氏は下を向いたまま小声で「言えないですよ」と答えるのが精一杯だ。
「一番分かっているのは、ファンの子です。だから、ファンは大事なんですよ。私、本当に恥ずかしいけれども、『うちの子』と言っちゃうのは名前を覚えられないから。でも、『うちの子』の責任は全部自分で取ります。それと同じように、私は『うちの社員』の責任も取るし、社員を統一するのも自分の責任だと思う。
 もしジュリーと飯島が問題になっているなら、私はジュリーを残します。自分の子だから。飯島は辞めさせます。それしかない。それをあなたがきちんと書くんだったらお書きになればいい。社長候補の問題を教えてくれというんだったら、そうでしょう。決まっていることです。

「トップは誰!?」「近藤真彦です」

 うちの事務所のことわかっているの? うちのトップはマッチです。SMAPじゃありません。失礼なこと聞かないでください。飯島、うちのトップは誰!?」
「近藤真彦です」
 すかさず飯島氏が言う。意気消沈の面持ちである。だが、メリー氏の追及は止まらない。
「ほんと不愉快。じゃあ飯島のところの会社、調べましたか。役員は誰ですか」
 飯島氏の会社とは、ジャニーズの関連会社「ジェイ・ドリーム」のことである。主にSMAPなどの映像作品の制作・管理を行っており、代表取締役はジャニー氏。飯島氏が唯一、取締役に名を連ねる会社である。
――社長はジャニー氏。飯島さんは取締役です。
「また問題が起こったよ、飯島さん。ジャニーはクビにしたほうがいいんじゃない? だって、ジャニーは給料もらったことないし、書類も見たことないじゃない。会社も行ったことないじゃない?
 私は飯島に言っているんです! ジャニーは会社に行ったこともないから、クビにすればと言っているんです。でも、それをあなたたちに『いい、悪い』と言われることないですよね。
 私、飯島に初めて本気で怒鳴っています。何で私が社員と対立しなきゃならないんですか。それだけでもすごい失礼だと思うの。言葉遣いをもうちょっと考えてよ。私に失礼よ。
 飯島に関しても私の管理の仕方が悪いんですよね。だから、みんな勘違いしちゃう。うちの娘と飯島が争うなら私は飯島に『出ていけ』と言うしかない。だって、飯島は私の子供じゃないんだもの。
 皆さんの前で言います。ジャニーには(飯島氏の会社を)辞めさせなさい。私が迷惑するから。だって、ジャニー、自分が社長になっているの知らないんだもの。(飯島氏の)知らないところで言うのイヤだから。もし本当なら、SMAP全員呼んで話そうと言います。それぐらい大変なことなの。
 私にとって娘より大事なのはタレント。でも、その次はやっぱり自分の家族。社員も大事にするけれど、タレントで精一杯ですよ。
 飯島がジュリーと対立するということは、私と対立するということ。お分かりになりますよね。それは、私に刃を突きつけているのと同じですからね。
 うちの娘が、何で飯島と派閥争いしなきゃならないの? だったら、どうぞ自分のところで別に(会社を)作ってくださいと言うだけ。派閥争いをしたら、飯島がどんなに(仕事が)できても、私は娘の味方です。親ですから、当たり前のこと。
 私は対立しているとは思っていません。私は現場へ行っていないから分からないこともある。どこかのディレクターとか、ファンの又聞きで聞いたで済むことじゃないの。お分かりになりますよね。常識で考えて、この噂を私に取材するのには、それだけの覚悟をして取材してくださいということです!」
 後継者問題を記者の目前で一刀両断したメリー氏。その後、話題はジュリー氏と少年隊の東山紀之の関係へと移った。
“ジャニーズの母”として慕われた故・森光子氏の寵愛を受け、将来はジャニーズ事務所の幹部候補と目されていた東山。その東山が、過去に関連会社の役員に就任していたという話について聞いた。登記をたどっても、東山が役員に就任していた事実は確認できなかったが、業界ではこの噂は消えていない。というのも、その背景には、今から二十年以上前、東山とジュリー氏の結婚話が持ち上がったという経緯があるからだ。
「ジュリーと結婚して、という話を言いたいのでしょう。一体、何年前の話をしているんですか? 今は両方とも(別の方と)結婚したじゃないですか。私、ヒガシの奥さん(女優の木村佳乃)に何て言えばいいの。子供が二人できても、まだジュリーのこと言われているわよ、って言いますよ。
 それを言うなら、一番は近藤真彦ですよ。私、タレントと結婚させるんだったらマッチしかいない。亡くなったマッチのお母さんのことが、すごい好きでね。ジュリーもすごく可愛がってもらったの。お母さんはジュリーのために新築した家に彼女の部屋まで作ってくれたんです。ジュリーも『マッチは嫌いだけど、お母さん好きだからね。我慢するわ』って、ずっとお母さんのところへ遊びに行っていたの。
 うちのタレントの中で、ジュリーの部屋があるタレントの家なんかありませんよ。お布団から全部つくってくれて、もうマッチのお嫁さんって決めてたんですもの。マッチは『メリーさんが姑になるんだったら、俺、絶対イヤだ』と言ってたし、ジュリーも嫌がってたけど。マッチのお母さんは二人を結婚させるつもりだったんだもの」
 メリー氏の口から明かされたのは知られざる意外な秘話だった。

女帝が流した涙

 インタビューも終盤に差し掛かり、メリー氏に許され、飯島氏は会議室を去った。その後もメリー氏は近藤真彦の母親についての思い出話を続けた。近藤が人気の絶頂を極めていた一九八六年、母親は交通事故で亡くなった。
「マッチのお母さんが怪我をして入院したとき、私のクライスラーをマッチに渡したんです。当時は自動車電話しかなくて、連絡の取りようがなかったから。ロケに行っていたマッチは車の電話だけで入院したお母さんとやりとりしていたんです。
 お母さんが亡くなった理由のひとつは、救急車を断ったことでした。救急隊員に名前を聞かれるから、お母さんは『大丈夫です。歩いて帰れます』と言って、よその人の車に乗せてもらったんですよ。ちゃんと説明してお医者さんに連れていってもらったんですけど、それが小児科かなんかの先生だったの。だから内臓破裂しているところまでは分からなかった。
 私はマッチに必ず言うんです。『あのとき救急車に乗っていたら、絶対助かっていたのよ』って。だから、私がマッチの面倒を見るのは当たり前だと思う……話しているだけで涙が出てきちゃう。それと同じで、ほかの子の面倒も見ます」
 ときに冷徹とも言われる“ジャニーズの女帝”が、記者の目の前で突然涙を流し始めた。こぼれ落ちる涙を拭いながら、彼女は話し続けた。
「当たり前の話。だって、ボートに乗ってて浮輪が一つしかなくてさ、何かあったときに、私は浮輪はジュリーに渡す。ジュリーには逃げなさいと言って。よその子には浮輪はあげられないけど、私、全部抱えて泳ぎますよ。私の上に乗ったら、私、掻くのだけはできますからね。顔をつけるのはイヤだけど、泳ぐのは相当泳げる。海で育った子だから。威張っちゃうとね、船の帆があるでしょう。あの帆先から飛び込んでいたの。でも、悲しいかなあの人、すごく水泳がうまいのよ」
 取材時間はすでに五時間近くに及んでいたが、波乱に満ちた半生を送るメリー氏の独白は含蓄に富んでいた。メリー氏は記者を諭すようにこう言った。
「私に聞けば返事はできるし、怒ることには怒ります。『今日にでも辞めさせる』って言ったから、飯島は『何よ!』って思ったかもわかんない。でも、そういう噂があるなら飯島が自分で消してくるべき。取材も私より飯島に先にすべきです。それが“順序”ってものだから」
 メリー氏の夫で作家の藤島泰輔氏(故人)は、かつて妻をこう評した。
《瞬間湯沸かし器型の感情の激しい人だが、実に“女”である》
 ジャニーズタレントは、この“ビッグママ”の底知れぬバイタリティによって統治され、守られている。

「週刊文春」2015年1月29日号
 
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