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第33回椎の実会例会のご報告

 投稿者:石橋健正  投稿日:2018年12月12日(水)02時23分3秒
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  雨と雪を伴い、一段と増す寒気もものかは、総勢30名の仲間が三田の萬来舎に集いました。今回も大山会友の参加を得、限られた時間内で目いっぱいのご指導をいただきました。懇親会には会長を始め8名が歓談し、時ならぬ忘年会を楽しみました。
今回は早野禎(ただし)さん(58年経卒)のお話をご紹介いたします。話すうちにそこはかとなく駘蕩たる気分となり、どこか大人の風格が漂います。では囲碁、絵画、お酒について。
「囲碁との関わりは20代の後半、社会人になってから。何となく人との付き合いに役立つかな、と思いまして。それまでは将棋一辺倒で、かなり熱を上げました。しかし日本棋院(八重洲)や町の碁会所に通ううち、何となく奥の深さに惹かれ、囲碁に鞍替えしました。碁の魅力は考える楽しさですね。勝負に拘らず、勝ち負けに一喜一憂せず。こう打てば、どういう結果になるか、を楽しむとでも言いますか。ですから好きな棋士といえば断然梶原武雄さん。独特の定石を編み出したり、持ち時間のほとんどを布石で使ってしまったり、とに角ユニークな個性に惹かれましたね」と。そういえば「今日のハマグリは重い」という名セリフは今でも語り草ですね。藤沢秀行さんの「芸の詩(うた)」に「一生のうちに一手でもよい手が打てれば本望。勝負は芸によって生まれるもの」とありました。梶原さんも同じく芸に生きる棋士だったのですね。プロは苦しみ、アマは楽しむという違いはあるも、思考のプロセスを大事にする点では、大棋士と早野さんには一脈相通ずるものがありそうですね。続いて絵画。これぞまさに真っ先に挙げねばならぬ芸でした。早野邸に入るや、目に飛び込んでくるのは見事な風景画。腕前は玄人はだしですね。「幼少の頃から絵を描くのは好きでしたね。高校時代(慶應)の美術の先生に師事しました。これが貴重な肥やしになっていると思います。本気で絵描きになろうと思った時期もありました。好きな画家はモネ、荻須高徳ですね。写実派の風景画を好みます。要は描きたいものを好きなように描く、人真似でない自分流のものを描く、ということでしょうか。そしてあれこれ工夫しながら手を動かす。これこそ絵描きの醍醐味ですね。作品の評価は時代によって変わります。ですから出来不出来に拘るのはあまり意味がないとも言えますね。主たる活動の場は創元会(日展系)というサークル。今も年1回新国立美術館に仲間と出展しております。時折カルチャ―スクールの講師を頼まれることもあります」と。恵まれた才能と筋金入りのキャリアが今日の芸を生んだと言えましょうか。最後はお酒。専ら日本酒を好む。「お酒そのものが好きですね。それに談論が加われば言うことなしですね。親しい仲間と他愛ないやり取りを楽しむ、もう一つの生きる力となっているような気がします」と目を細める。
好きなことを楽しみ、多様な仲間と喜びを分かち合う。描く、考える、酌む、の3拍子、その境地は「雅」とでも言いましょうか。楽しき哉、人生ですね。

来年1月の例会は1月22日(第4火曜日)を予定しております。当会もお陰様で3周年を迎えることとなります。溌剌としてお目にかかるのを楽しみにしております。
向寒の砌、お身体くれぐれもご自愛され、どうぞ良いお年をお迎えください。
 
 
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